Q
先生の研究・活動を
教えてください
就学前の保育・教育に関心があります。保育の質,保育者の専門性,園内研修,障害児保育,子育て支援等々です。なかでも障害児保育では「個別の指導計画」という,子ども一人一人の障害の状態等に応じたきめ細やかな指導を行うための計画に関心があります。この計画を作成するには,日々の保育記録から個々の子どもの姿を把握し,発達段階に合った指導目標と内容を具体化していきます。また「園の計画」と「個別の指導計画」は,関連性,一貫性をもたせることが重要です。しかし,このような「個別の指導計画」に対する考えは,保育現場に浸透していない実情があります。幼児期の学びに即した「個別の指導計画」の作成・活用が現在の研究テーマです。
Q
この分野の面白さは、
どんなところですか?
障害のある子どもの生活上の困難さに着目しすぎると集団つまり他の子どもと共に育ち合う保育の良さが見失われてしまいます。このような課題について保育現場の方々と一緒に考えていくことにやりがいを感じます。
授業紹介
【障害児保育】
障害のある子ども,特別な支援を必要とする乳幼児の保育について学びます。まずは,様々な障害について理解し,子どもの障害,発達特性を踏まえた指導計画の作成,保育の方法や環境構成等を理解します。そして,障害のある子どもを含むすべての子ども達が学び合うインクルーシブ保育を可能にするため条件や配慮について考察します。この講義の最終目標は,子どもの姿からも目標や援助方法について「個別の指導計画」を作成し,活用できるようになることです。また,保護者や関係機関との連携,保育を支える保育者間の協力のあり方についても深く考察をしていきます。
メッセージ
私たち大人は,子どもたちに“上手にできる”,“早くできる”,“たくさんできる”ことを求めているかもしれません。保育は,子ども同士の競争とか比較ではありません。子どもには,私たち大人とは異なる価値観があり,それは一人ひとり違うのではないでしょうか。私たちのこれまでの経験による固定的な価値観を排除して,子どもや保護者の方から学ばせてもらいましょう。