准教授 山口 恵子 Keiko Yamaguchi

担当学科

  • 福祉心理子ども学部 子ども発達学科

研究テーマ

著書

  • 『保育を支えるカリキュラム・マネジメントの理論と実践』(共著)
  • 『子ども理解と保育実技ー理論と実践に橋をかけるー』(共著)

Q 先生の研究・活動を
教えてください

絵本について研究しています。具体的には、月刊保育絵本『こどものせかい』を研究対象として、個々の絵本作品の分析や絵本の付録の分析を通して、その全体像を明らかにし、創刊号から編集者として『こどものせかい』に深く関わり大きな影響を与えてきた武市八十雄(1927-2017)の思想を解明しようとしています。
武市は「感じる絵本」という独自のコンセプトのもとで、編集長在任中におよそ570冊の絵本を制作しました。創作絵本、宗教絵本など様々なジャンルがありますが、絵本の絵やテキスト、構造、付録に書かれた言説等を分析することで、絵本の背景にある社会の状況や武市の思想(子ども観・教育観など)を読み解いていく研究をしています。

Q この分野の面白さは、
どんなところですか?

絵本は、主に子どものための読み物として注目されます。しかし、研究対象として絵本を見ていくと、絵と文との相互作用の中に制作者のメッセージや生き様、そして絵本が制作された当時の社会問題等が浮かび上がってくることがあります。
絵本を読む時、通常は文に目が行きがちですが、絵に注意を向けてみると、そこにも多くの発見があります。文だけでなく、絵も語ります。そこで用いられている絵の技法や色彩を通しても、語られるメッセージがあるのです。
絵本は文学、美術、保育、メディアなど、様々な分野から研究されています。研究の歴史は浅いですが、その分、様々な可能性を秘めており、複合的な視野から絵本をとらえていく面白さがあります。

授業紹介

「子どものことば遊び」
この授業では、子どもの遊びを豊かに展開するために必要な児童文化財に関する知識や技術について実践的に学びます。具体的には、絵本の読み聞かせや子どもの言葉を育てる遊びについて学んでいきます。
例えば、絵本に関する講義では、ベストセラー絵本やしかけ絵本などを題材にして絵本の色彩や構造等について学んだ後、実際に絵本を手に取りながら、絵本の扱いや発声法などを習得し、絵本の読み聞かせを実践します。

メッセージ

絵本は子どもだけのものではありません。人はいくつになっても、絵本を読んで感動したり、考えさせられたりするのです。
まずは自分が興味を持った絵本を手に取って、じっくり絵と文を眺めてみましょう。そして、絵本が皆さんに語ってくることに耳を傾けてください。
絵本研究については多くの書籍が発行されていますが、入門編として『ベーシック絵本入門』(生田美秋・石井光恵・藤本朝己編著、ミネルヴァ書房、2013年)をおすすめします。

研究テーマ