臨床心理学研究科長・教授 本間 恵美子 Emiko Honma

担当学科

  • 福祉心理子ども学部 臨床心理学科
  • 大学院 臨床心理学研究科

研究テーマ

著書

  • 発達を考えた児童理解・生徒指導(共著)福村出版
  • 教職に生かす教育心理:子どもと学校の今(共著)福村出版
  • 社会心理学(共著)北大路書房
  • 社会心理学概説(共著)北大路書房
  • 社会的状況とパーソナリティ(共訳)北大路書房

Q 先生の研究・活動を
教えてください

これまで青年期の不登校、対人不安など、中学生~大学生を対象として、ひきこもる方向での対人関係や対人行動がついて研究してきました。また、これらが状況によってどのように変わるのかについても見てきました。最近の研究では、ひきこもり親の会に参加している親についての研究があります。親への面接調査と質問紙調査を行い、ひきこもりが生じた初期から親の会に参加して数年~十数年のなかで、どのように考え方や気持ちが変化しているのか調べてまとめました。また、実際にひきこもり親の会のプログラムを考えて実施し、どのような条件でどのような効果が得られるのかについても調査しました。

Q この分野の面白さは、
どんなところですか?

不登校やひきこもりは、現象はひとつですが、中は非常にさまざまです。そのため、これが原因といったように簡単にはとらえられませんし、原因を修正するといった単純な対処もむずかしいところです。それをどのような切り口でとらえていくのか、青年期であることがどのように関わっているのか興味がつきないところです。個人の成長と発達、それを支えている人たちや環境が複雑にからみあっています。その人の行動傾向や性格特性と、周囲のサポートなどの社会的状況がどのように関わっているかという点からも関心があります。

授業紹介

「社会・集団・家族心理学」の授業を担当しています。私たちは、その人がなぜそのような行動をしたのかをその人の性格のせいにして考えがちですが、その人がおかれている人間関係や所属している集団のありようや文化といった社会的状況にもかなり影響されています。しかし、社会的状況は複雑で簡単に認識できにくく、そのように行動するのは当たり前といったように自覚もしにくいといった特徴があります。このような社会的状況が個人にどのような影響を及ぼすのかを、個人対個人、集団や家族といった視点から見ていく科目です。

メッセージ

高校時代までに心理学を学校の授業で学ぶことはあまりないので、イメージはつかみにくいかと思います。しかも基礎から臨床までさまざまな領域にわたるので、どの領域の本を読むのかでかなりイメージがちがいます。最近は高校生に心理学を紹介する本も出ていますので、興味のある方はぜひご覧ください。心理学の本以外の社会に関するもの、小説などさまざまな領域のものも、広くとらえれば心理学の学習に関連してくるところがおもしろいと思っています。

研究テーマ