教授 伊藤 真理子 Mariko Ito

担当学科

  • 福祉心理子ども学部 臨床心理学科
  • 大学院 臨床心理学研究科

研究テーマ

著書

  • 遊戯療法と子どもの今(共著)
  • 箱庭療法の事例と展開(共著)
  • 地域資源を生かした発達障害のある子どもへの支援-療育・保育・教育の視点から-(共著)

Q 先生の研究・活動を
教えてください

臨床心理士・公認心理師として、個人心理療法などの臨床実践活動を行っています。
スクールカウンセラー、教育センターでの遊戯療法、精神科クリニックや福祉施設での心理療法など、様々な領域で様々な年齢のクライエントさんと出会って来ました。
心理療法の中で、何が起こっているのかに興味を持って、臨床事例を検討しています。特に、箱庭、夢、遊び、描画などを通じて表出されるイメージがどのように人に働きかけてくるのか?など、イメージを体験したり表出するその過程で生起することに興味を持っています。
さらに、臨床実践における出会いや自分の人生を送る中での体験から、子育て支援や女性の生き方にも興味を持ち、他分野の先生と共同研究を行っています。

Q この分野の面白さは、
どんなところですか?

ひとのこころが、たった一つの真実でできているわけではなく、こんな関わりをするとこう変化する、というような方程式が定まっているのではない、そのような不可思議なものに関わっていけることが、とても面白いです。
日々出会うそれぞれのクライエントさんに(または一人のクライエントさんの中でもその時々に)それぞれの真実があり、それを付き添いながら、一緒に確かめていく作業の中では、大変な思いをすることもあります。しかし、分かりきることがないものに対して、ああでもない、こうでもないと、いろんな角度からアプローチをし、こころの深淵をのぞき込んでいく作業の中で、自分自身のこころも耕されていくように思います。

授業紹介

臨床心理学概論
なぜひとは「悩む」のでしょう。話すこと、聴くことは、こころの変容にどのように関わっているのでしょうか。
臨床心理学とは何らかの問題・悩みや病を抱えた個人や家族、コミュニティの「こころ」にアプローチする心理学です。
大学に入って最初に受講する専門科目である「臨床心理学概説」の講義では、臨床心理学の成り立ちや前提、多様な臨床心理学的アプローチの対象やその方法を紹介します。
自らのこころを通して体感的に理解を深めるために、個人や集団でのワークを取り入れながら進めます。
講義を通じ、現代社会における人間関係のあり方や自らの人間関係、生き方への関心を深めてほしいと思っています。

メッセージ

あなたが暮らす世界とあなたが出会う中で、こころはどこまでも深化し拡がっていきます。
学校生活、部活動、旅、家族や友人、本、インターネット、芸術、音楽、スポーツ、自然・・・などなど、あなたの身の回りに存在する様々なことに触れて心を震わせる体験そのものが、こころに向き合い臨床心理学の学びを深める素となると思います。
臨床心理学を学ぶことで、あなたなりのやり方で、自分自身や周りの人・世界と出会ってください。

研究テーマ