Q
先生の研究・活動を
教えてください
私自身が扱っているテーマ(役割取得能力)は、わかりやすく言うと「相手の気持ちや立場を理解し、それをふまえて行動する」という、人が生きていく上では必要不可欠な能力です。基礎的な研究をふまえた上で、その応用として開発した教材(絵本アプリ)で幼児・児童(発達障害児も含む)を対象にトレーニング実践を行うことが現在の研究のメインです。その他、児童の学校適応に関する研究、青年期(非行少年も含む)の道徳性発達に関する研究にも関心を持ち行っています。
Q
この分野の面白さは、
どんなところですか?
私が専門としている発達心理学や教育心理学は、実験やアンケート調査による手法で研究をすることに加え、得られた知見を応用し、教材を作成したり、介入プログラムのためのプログラム開発を行うことができる点、つまり、基礎から応用までをカバーできる点が面白いと思います。その他、同じテーマでも、年代による相違を検討することができる点も、面白い点だと感じています(例えば、学校適応に重要な影響を及ぼす要因について、小学校低学年、中学年、高学年でも比較できますし、小学校、中学校、高校、大学というふうにも比較できます)。人間の発達に興味があり、自身の研究で得られた知見を社会実装することに興味がある人が、向いている分野だと思います。
授業紹介
発達心理学Ⅱ 授業では主に青年期を扱っていますが、少し範囲を広げ、思春期から青年期、その先の成人期までを扱っています。それぞれの年代の中での認知・社会性・人格の発達の過程について概説するとともに、各年代で顕著となる心理的課題や問題行動を取り上げ、その実態やそれに対する支援についても考えていきます。また、主に青年期を扱うため、本講義の目標には発達心理学的視点から、受講生の自己理解に役立つ知見を提供することも含まれています。
メッセージ
大学入学当初は、日本語日本文学科に入学し、日本語教師を目指していました。勉強をしていく中で、「ことばを人に教える」ということは、実は心理学と深い関連があることを知り、ぜひ心理学について学びを深めたいと思い、当初の予定を変更して他大学の心理学科へ3年次編入しました。自分の今後の人生の方向性がかかっていると思い、いわゆる答えのある勉強としては、これまでの人生で一番力を入れて勉強をした時期だったかもしれません。心理学は色々な学問をつなぐ、ハブとなることができる学問です。高校時代は1つのことに限定せず、色々なことに関心を持って情報収集し、柔軟な思考を持つこと、そして得た知識を他者にわかりやすく説明することができるプレゼンテーション能力を身につけておくと、入学後に役立つと思います。