准教授 齋藤 恵美 Megumi Saito
担当学科
- 福祉心理子ども学部 臨床心理学科
研究テーマ
著書
- 行動医学テキスト
- 健康心理学事典
- いちばんよくわかる図解臨床心理学
Q
先生の研究・活動を
教えてください
皆さんは授業で宿題がたくさん出たとき、「いやだな、やりたくない」とやる気を失ったり「全部終わらせられるかな」と心配になったりしたことはありませんか。このような心理的なストレスとその対処法について研究しています。
ストレスに向き合うには、まず自分が今どのくらいストレスを感じているか気づくことが重要です。そして、ストレスを引き起こしている原因を解決したりマイナスな気持ちを和らげたりするにはどんなやり方が効果的か、あらかじめ知っておくと役に立つでしょう。
学校や職場や家庭で誰もが感じるストレスとうまく付き合ってゆく方法を明らかにして、心の健康の維持・向上につなげる研究に取り組んでいます。
Q
この分野の面白さは、
どんなところですか?
私は臨床心理士と公認心理師の資格を持っているのですが、カウンセリング(心理相談業務)だけではなく『心の健康教育』にも携われることが、この専門分野の面白さの一つです。
カウンセリングでは、ストレスやうつといったマイナスな心の状態をゼロに戻すことが支援の目標となり、限られた範囲の人(不調を抱えているクライエント)が対象となります。一方、心の健康教育では、健康な人々の悩みや問題が深刻にならないように予防をすることや、生活の質(QOL)を高め毎日をいきいきと過ごせるようになることを目標としています。つまり、プラスをもっとプラスにすることに焦点を当て、より広い範囲の人々が対象となる点が特長です。
授業紹介
大学1年次の科目「臨床心理ゼミナールⅠ」では、心と健康をテーマにした心理学ミニ実験をおこない、皆で議論するという授業をしています。
例えば、もしも皆さんが「1,000円あげるから今日中に使い切って!」と言われたらどうしますか?自分の欲しい物を買う?友達に飲み物をおごってあげる?等、いろんな使い方がありますよね。実はお金をどう使うかによって幸せを感じる度合いが違うのです。どんなふうにお金を使ったら最も幸福感が高まるか?なぜそうなるのか?を色々な視点から議論しています。他にも、第一印象は先入観に左右されやすいこと、心が見透かされてしまう現象、思い出がゆがむ現象といったトピックを取り上げています。
メッセージ
心や行動に対する関心は思春期頃から高まっていくものだと思います。私は高校生のときに(恥ずかしながら)『なぜこんな何度もフラれるんだろう』と疑問に思ったことがきっかけで、自分の性格や他者の気持ちに興味を持ち始めました。人間の思考や感情、行動を正しくとらえるには心理学の知識が役に立ちます。『なぜあの人は〇〇と言ったのか?自分はなぜこんな気持ちになったのか?』等、素朴な疑問をたくさん蓄えておきましょう。