准教授 小林 智 Taku Kobayashi

担当学科

  • 福祉心理子ども学部 臨床心理学科
  • 大学院 臨床心理学研究科

研究テーマ

著書

  • 解決の物語に学ぶブリーフセラピーのエッセンス(共著)
  • 大震災からのこころの回復ーリサーチシックスとPTG-(共著)
  • 震災心理支援ガイドブック(共著)
  • 事例で学ぶ生徒指導・進路指導・教育相談(共著)
  • リハベーシック心理学・臨床心理学(共著)

Q 先生の研究・活動を
教えてください

専門は短期・家族療法という心理療法です。この心理療法では、人が言語(コミュニケーション)を通じて互いに影響を及ぼしあうプロセスに着目して、クライアント(相談に訪れる人)の生活をシステムという単位で見つめていくことになります。心理学は「心」を扱う学問ですが、私が専門としている短期・家族療法は他の心理療法と比べて広い意味での言語行動に関心を向けるという特徴があります。
もう一つの柱である家族心理学は、文字通り家族の心を扱う領域です。現在この領域における個人的な関心は、子を持ち育てる親たちが私たちの暮らす社会の中でどのような役割を担っており、それに対して社会はどのような支援を提供できるのかということについて、障害児の養育という文脈から検討することです。

Q この分野の面白さは、
どんなところですか?

短期・家族療法は心理療法の理論の一つではありますが、原義的には「不健康・不健全」な心の状態を想定していないという点が面白い点だと思います。「ある人に何かしらの不満を生じさせているコミュニケーションの連鎖」が存在しているだけという考え方は、多様性(ダイバーシティ)ということが盛んに叫ばれる昨今において、非常に重要な考え方になるのではないかと思います。
また、コミュニケーションという複数の人が交わりを持つ場では不可避的に生じるものを対象としている点も、心理学や言語学の身近さを感じられて面白い点だと感じています。

授業紹介

家族心理学では、家族に関する現代的なトピック(例えば、パートナーシップの形成過程とそこに生じる葛藤/少子高齢化時代におけるリプロダクティブライツと子の養育/学齢期における子の対人関係や行動範囲の拡がり/社会経済的自立に関する社会的要請とその過程で生じる葛藤や苦悩/家族介護とその背景にある家族間など)を扱います。
授業においては、これらの問題や課題に対する各受講者のスタンスや考え方を明確にしその多様性を浮き彫りにするとともに、そうした多様な価値観を実現する方法の一つとしての短期・家族療法について学びます。

メッセージ

皆さん一人一人の固有の経験や考えを自分自身でしっかりと深めて大事にしてください。
そしてその先に、他者一人一人の固有の経験や考え方を大事にする視点の獲得を心がけてみてください。
心理支援とはそうしたことの先にあるものだと思います。
そのために高校生である今、自分自身の興味関心に素直になり、大いに学び、大いに遊んでください。

研究テーマ