准教授 新国 佳祐 Keiyu Niikuni

担当学科

  • 福祉心理子ども学部 臨床心理学科

研究テーマ

著書

  • 学習・言語心理学(出版予定)
  • コーパスからわかる言語変化・変異と言語理論2

Q 先生の研究・活動を
教えてください

主に言語(文や文章)を理解したり、話したりする際に脳の中で行われる情報処理のメカニズムについて、心理学的な実験や調査を通して研究しています。脳(心)の中で起こっている情報処理は、実際は目に見ることができませんので、様々な工夫をして調べる必要があります。たとえば、文や文章の読みにかかる時間や、そのときの視線の動き(眼球運動)を計測することにより、私たちがどのように言語を理解するのかを推測します。最近は、文を理解するときに心の中に想像される視覚的イメージとはどのようなものなのかについて関心を持ち、研究を進めています。

Q この分野の面白さは、
どんなところですか?

私たちは日常、ものごとを認識したり、他人と意思疎通をはかるために、当たり前のように言語(ことば)を使っています。しかしながら、自分がなぜことばをスムーズに理解したり、自由に話したりできるかについて、説明することができる人はいないのではないでしょうか。実際、人間が言語を使うとき、心の中、すなわち脳内でどのようなことが行われているのかについては、はっきり分かっていないことが多くあります。このように、普段は意識すらしない自分の行動や、当たり前に使っている能力の裏には、実はこんなメカニズムがあったのか!と分かることが、自分の専門領域に限らず、心理学という広い研究分野に共通する面白さであると感じています。

授業紹介

学習・言語心理学
この授業では、前半は人間や動物の学習について扱います。ここでいう学習とは、単に学校での勉強のことではなく、生物が経験によって行動を変えていく過程を広く指します。後半では、私たちが言語を習得する過程や、言語理解(読む、聞く)・言語産出(話す、書く)のメカニズム、言語にかかわる障害などについて扱います。
他にも、主に人間の知覚や認知について扱う授業、心理学の実験を行う授業、心理学における研究法・統計法にかかわる授業などを担当しています。

メッセージ

私が心理学を学んだり、研究したりする上で、高校時代に勉強しておいてよかった(同時に、もっと勉強しておけばよかった)と思うのは、少し意外かもしれませんが、数学です。というのも、心理学では、心の状態やはたらきを数値化して見ていくことがほとんどだからです。その他にも、学校の勉強が意外にも役に立ったという場面は多くありますので、今のうちにしかできない高校での学びをぜひ大切にしていただければと思います。

研究テーマ