教授 春口 好介 Kosuke Haruguchi
担当学科
- 短期大学部 人間総合学科
研究テーマ
著書
- 1.春口好介.脳神経外科患者の呼吸管理―開頭術後嚥下性肺炎を併発した症例を通してー臨床看護.ヘルス出版.1989
- 2.土永典明.柳澤利之.春口好介他.トラブル事例から学ぶ福祉・介護実習ワークブック.株式会社未来.2009
- 3.杉本浩章.春口好介他.2018年版みんなが欲しかった!社会福祉士の教科書共通科目編.2017
- 4.松沼記代.春口好介他.2018年版みんなが欲しかった!社会福祉士の問題集.2017
Q
先生の研究・活動を
教えてください
私自身、総合病院の救急医療及び介護関連事業所で看護師として勤務した経験がある。その中で医療行為に関する業務について、どこまでが看護業務でどこまでが介護業務なのか不明瞭なところが多いと感じてきた。従来医療行為のほとんどは医師及び看護師のみ実施でき、介護職員は実施することができない行為とされてきた。2005年、不明瞭であった業務内容の一部が整備、改善されたが未だ不明瞭な部分は残っており検討していかなければならない課題は多い。その課題を検証し、解決の糸口を見つけることに対してやり甲斐を感じている。
Q
この分野の面白さは、
どんなところですか?
介護職は法律上、医療行為を行うことができないことになっているが、医療行為の定義が明確になされていなかったため、特別養護老人ホームや老人保健施設等介護の現場では混乱が生じていた。2005年7月26日、厚生労働省はそれまで医療行為とされていた11項目を原則として医療行為から除外した。このことにより、軟膏塗布、点眼、服薬管理、座薬、浣腸などの11項目が一定の条件のもと、介護職にも行えるようになった。しかし、介護職の医療行為に関しては、いまだ、多くの課題が残されている。様々な角度から調査研究を行うことにより、介護の現場で働く介護職の業務を安全に、円滑に行うことができるようにするための施策を検討する。
授業紹介
医療的ケアを行う際の人間の尊厳を厳守・倫理観の確立と医療行為に関する多職種との連携を理解する。また、医療的ケアにおける身体の解剖・生理・感染予防・「たん吸引」の基本的知識の以下の3項目について学習する。 1.医療的ケアが必要な利用者・家族の気持ちを学ぶ
2.医療的ケアにおける多職種との連携について学ぶ
3.医療的ケアにおける身体の解剖・生理・感染予防について学ぶ
メッセージ
私はもともと看護師で、病院の救急救命室で長年勤務してきた。2000年から介護保険制度が始まり、ケアマネージャーの資格を取得後は高齢者介護施設である特別養護老人ホームに看護師として勤務した。そこで、看護師と介護職員との業務の重なる部分があり、どこまでが看護師の業務なのか不明瞭なところがあると実感した。その不明瞭な業務が医療的なケアであった。医療行為は医師、及び看護師のみ実施できる行為であり、違反すれば法律違反となるため困惑した。その後、法制度が改正され、不明瞭であった業務内容がある程度改善されたが、未だ不明瞭な部分は残っており検討していかなければならない課題は多い。高校時代には、自分に興味がある分野のニュースの記事を読み込んで、「自分はこれについてはこう思う」「こうした方がよいのでは」「自分だったらこうする」など、自分の意見を持つようにするとよい。