教授 宮崎 隆穂 Takao Miyazaki

担当学科

  • 短期大学部 幼児教育学科
  • 福祉心理子ども学部 臨床心理学科

研究テーマ

著書

  • Association between perceived social support and Th1 dominance.Biological Psychology,70,30-37.
  • Relationship between perceived social support and immune function.Stress and Health, 19, 3-7.
  • コンパクト版保育者養成シリーズ 「保育の心理学Ⅰ」  第8章 愛着関係の形成と発達

Q 先生の研究・活動を
教えてください

こころと体の接点について、興味を持って研究してきました。周りの人からどれくらい支えられているか?という感覚と精神的健康との関連にはじまって、免疫系の指標を使って、こころと体の対応関係を検討しています。最近は、唾液の中に含まれるストレス関連物質(唾液中コルチゾールやalphaアミラーゼなど)に注目して、子どものストレス反応を測定し、さまざまな保育環境がどのような意味を持っているかということを考えています。それとは別に保育学生の保育者効力感の成長過程や施設実習の意義などについても研究しています。

Q この分野の面白さは、
どんなところですか?

なんとなくもやもやと感じていることが、実際に心身の健康にどのような経路で影響を及ぼし合っているのか一つの可能性を可視化することができるところが面白いと思います。どのような状態やかかわりが免疫系などの生理指標にどの程度反映するのか?ということがわかれば、それぞれに応じてセルフコントロールすることが可能になるかもしれません。直感的に「よくない」ことや「やりたくない」ことは、普通に生活していれば(そういった微妙なシグナルを意図的に無視しているのでない限り)割と正直に体の反応として出てくることが多いわけです。自分の直感や判断を大事にできる環境にいることが大事なのではないかと思っています。

授業紹介

人間総合学科と幼児教育学科で同時に開講している「発達心理学I」という授業を担当しています。「大人が見ている世界と子どもが見ている世界は本当に同じか?」ということをテイクホームメッセージとして、人間の発達(時間に伴う人間の変化)を、知覚・身体・運動・社会性など様々な側面から概説し、子どもの世界の理解、人間の理解ということをさらに深めることを授業の目的としています。授業の中では、実際の赤ちゃんや子どもの様子の映像などを交えながら進めていきます。また、各回ごとに受講生同士が授業の内容について話し合ったり、質問するということを授業の理解の近道として奨励しています。

メッセージ

心理学や人の心の仕組みに興味を持ったきっかけは、「夜の子どもたち」(柴田勝茂著)というタイトルの本を読んだことがきっかけです。そのほかにも、天沢退二郎さんのオレンジ党シリーズや「ピラミッド帽子よさようなら」なんかも好きだったのですが、今から考えてみると、現実の世界と非日常の世界の境界があやふやになったり、行ったり来たりして日常を侵食していく物語達。人間のこころの世界のリアルはそうした重層性にあるのではないかと思っていたのではないかと。

研究テーマ