准教授 野口 雅史 Masafumi Noguchi

担当学科

  • 短期大学部 幼児教育学科

研究テーマ

著書

  • 「楽しく遊べる子どもの音楽表現」(大学図書出版)
  • CD「懐かしきこころの歌」(ベルタレコード/クラウン徳間ミュージック販売)
  • CD「シューベルトに百万本の薔薇を捧ぐ」(ベルタレコード/クラウン徳間ミュージック販売)

Q 先生の研究・活動を
教えてください

①声楽やオペラ作品の演奏法について研究しています。年間を通してコンサートやオペラ公演で演奏しています。主なレパートリーは、ドイツ歌曲・日本歌曲、日本の抒情歌、オペラアリアです。音楽のジャンルを越えて、マイクを使わないオペラ声で、ポップスや演歌、ロックなどを歌う方法を研究し、CDを2枚出版しました。その他、オーケストラとの共演、舞台演技も行っています。②保育学生から音楽指導者の方まで幅広い層を対象に、ボイストレーニングや歌唱法の指導を行っています。その中で、初めて習う人がどのようにすれば最速で声量を増やし、音域を広げて歌えるようになるかを中心に研究を行い、一方では高度で専門的な声楽的発声法や声楽演奏法の教育にも力を注いでいます。③保育で気軽に歌の活動ができる伴奏楽器としてウクレレを研究しています。初めての人でも1時間で3曲弾き歌いができるようになるメソッドを創りました。研究では、93%の学生が1時間で3曲をマスターし、また苦手な人であっても弾き歌いに対する意欲が高くなることが判りました。

Q この分野の面白さは、
どんなところですか?

音楽や芸術は生きる上での目的にもなるような楽しいものです。音楽は楽しいだけでなく、心を癒してくれたり、時に勇気や希望を与えてくれます。その中で、声は人間が原始からもって生まれた尊い楽器です。何も持っていなくても、歌を奏でて、老若男女、世界の人とつながることができます。その最も原始的で尊い表現を追及していくことは、人間の体の機能や心理、歴史や知識に至るまで考えることであり、まさに人間そのものが歌であると感じています。それらの集大成として、人の前で歌を歌うということは何よりもプレミアムな行為であると思います。保育を目指す学生には、これから育てる子どもたちに、小さいときからいい歌を伝え、先生が楽しそうに歌う姿を見せてあげてほしいと思います。そのために、自信をもって現場に出て行けるよう、日々の授業を行っています。学生が今まで出なかった声がでるようになったときは僕も最高にうれしいです。

授業紹介

ここでの授業は、皆さんが今まで接してきた「音楽」の授業のイメージとはちょっと違うかもしれません。音楽というといわゆる楽曲や歌を想像しますが、五線譜で書き表したものだけが音楽でなく、音の集まりが音楽の始まりであるということに立ち返る授業です。さらには、表現というものは、そもそも音楽という分野に区切る必要がありません。学生自身がそういう自由な子ども脳になって、子どもをのびのびと育てて心身の健やかな発達をもたらす表現とは何かを考える授業です。そのため、人間の最も根源的で生命的な表現である声・音・動きを大切にして、感性を高める「あそび」について考えます。そして活動の組み立て方や指導者が見せるべき姿について学び、一人ひとりが実際に学生の前にでて指導をする練習を行います。目標は崇高ですが、内容としては、外へ出かけて音を探し、音を絵にしたり、ペープサート(紙人形)を役になりきって演じたり、楽器を作って遊んだり、ウクレレを弾いたり、楽しいものばかりです。

メッセージ

音楽が好きな人は、その好きな楽しさを子どもにも伝えてあげ、どうしたら子どもが好きになるだろうかを考えてみてください。特に幼児教育で経験は子どもが音楽に触れる第一歩になります。家庭で歌や音楽に触れない子どももいるでしょう。初めて歌を教えてあげるのは私かもしれない、という自負を持ってよいと思います。音楽が苦手である人は、苦手を克服することも必要ですが、幼児は正しい音楽の技術や知識を求めているわけではないので、自分の技量に拘らず、子どもが楽しい経験ができるように音楽的な活動を積極的に取り入れるマインドを養うことが大切です。一方、音楽は練習すれば、歌もピアノも必ず上達するものですので、高校生のうちから練習に取り組んでおくことを強く勧めます。

研究テーマ