准教授 時本 英知 Eichi Tokimoto

担当学科

  • 短期大学部 幼児教育学科

研究テーマ

著書

  • 「ライフステージを見通した障害児保育と特別支援教育」 第5章第4節「発達を目指したさまざまな連携〜当事者の会・親の会・ボランティアによる支援」
  • 「子ども家庭福祉の形成と展開」第8章「母子保健と子どもの健全育成」

Q 先生の研究・活動を
教えてください

 知的障がい、発達障がいのある子どものスポーツに関する研究と実践を行っています。知的障がいや発達障がいのある子どもは障がいの特性から自らの考えを伝えるのが苦手であったり、身体を動かすことに不器用さがあったりします。そのため、スポーツや運動を好きになるのも嫌いになるのも、周囲の人の態度に強く影響を受けます。活動の際にポジティブで適切な指導や支援、応援や眼差しがあれば、彼らのスポーツや運動に対するハードルは下がり、新たなチャレンジへとつながります。そのためにも適切な環境を整える方法について研究し、研究で得られた内容を活かしながら実際に活動を実施しています。

Q この分野の面白さは、
どんなところですか?

 この研究や活動の面白いところは、変化が生まれるところにあります。障がいのある子どもは苦手だったスポーツや運動の面白さや楽しさを知り、前向きに活動に取り組むようになったり、活動の準備を自分で始めたりするような変化が見られます。そして、何より表情豊かに活動する様子が見られるようになります。この変化を目の当たりにした保護者や指導者、支援者もまた活動のあり方を見直し、指導や支援に工夫や配慮を加えて変化をさせていきます。その結果、さらなる障がいのある子どもの変化につながることも多くあります。たった一つのことを意識し、変化させることが新たな変化を生み出していくことに非常にやりがいを感じます。

授業紹介

 私が担当している科目に「特別支援保育論」という科目があります。この科目では配慮の必要な子どもの特徴や、彼らが生活のなかで抱きやすい”困り”を理解します。そのうえで、保育や生活場面でどのような配慮や工夫を必要としているかについて学びます。これらの学びを基にしながら、事例を通して、配慮の必要な子どもの困りを推測し、その困りを少しでも緩和する手掛かりを探していきます。答えは一つではありませんし、導き出した答えに絶対はありませんので、考えれば考えるほど”ゆらぎ”が湧き起こります。授業ではこの”ゆらぎ”を体験させながら、追求する力と協働する力を養うこと目指しています。

メッセージ

  私が障がい児・者福祉に興味を持ったのは、子どもの頃日常的に障がいのある同級生等とかかわりを持つ機会があったためです。そこで、自分と同じ部分があることや異なる部分があることを理解していきました。皆さんが私と同じようにかかわり持つことは難しいかもしれませんが、同じ部分と異なる部分があることを意識したうえで関心を持ち続けて欲しいと思います。そこで得られた情報や自身の考えは将来の学びや共生社会の実現につながってきます。

研究テーマ